2017年12月07日

鉛の遮音パネルが防音室に向かない理由

鉛の遮音パネルを施工した木造防音室の相談が時々あります。
音響が悪化したうえに、音漏れも殆ど改善されていないという相談です。多いのがピアノ防音です。

これは以下の理由が主なものです。
・鉛は音を吸収できないので、大半がつなぎ目から漏れる。
・つなぎ目から漏れる音の大半は500Hz以上の音であるが、これはピアノにとって重要な周波数帯である。
・鉛は石膏ボードと同様に反射音が強く、室内の音響を悪化させる。
・鉛は制振性が乏しいので共振を抑えることができないため、音漏れと音響が悪化する。

鉛の遮音パネルのつなぎ目から音漏れしやすいのは、素材そのものが吸音性と制振性がないので、わずかな隙間から音が抜けて行くのです。これは遮音ゴム(合成樹脂)とは性質が異なります。
それに、パネル工法は隙間が出ますので、工法上の弱点と言えます。

木造防音室に鉛を使用するメリットはありませんが、ただ一つ活用方法があります。
それは防音ドアです。ドアをつなぎ目の無い鉛シートで造れば遮音性の高い木製防音ドア製作が可能です。
*問題は過重量になりやすいので、蝶番が歪・緩みやすいことです。
posted by 防音職人ウェブマスター at 08:44| Comment(0) | 楽器防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月19日

大手住宅メーカーの防音室

一部の大手住宅メーカーを除けば、戸建住宅に併設するピアノなど楽器防音室は木造です。

大半が大手建材メーカーの防音材をそのまま張り付けるだけのハリボテに近い空洞だらけの構造です。面密度だけに頼る遮音材にシフトして、吸音材や制振材をおろそかにしている欠陥構造です。

音響も悪く、遮音効果も低いもので、とても音楽教室には使えません。また隣接する賃貸住居部分への音漏れも気になる仕様であり、いったい住宅メーカーは約20年間何をしていたのか?

何も研究せずに、ただ既製品の防音材と石膏ボードを貼り付けるだけの安易な設計・施工を繰り返していたということでしょう。

近年の景気悪化で、自宅に音楽教室を併設する事例が増えており、同時に失敗事例が増えています。
建築士も企業もほとんど努力していないと言えると思います。

とくに致命的なのが固体伝播音の対策がないことです。木造住宅であっても木材を生かす工夫がないので音響も悪く、問題だらけです。
防音相談

不安を感じたら、早目に音響・防音設計の専門家に相談したほうが無難です。
posted by 防音職人ウェブマスター at 07:43| 楽器防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月09日

既製のボックス型ピアノ防音室の弱点

今までの防音相談や取引先の騒音調査などの分析結果から見ると、既製品のボックス型防音室の主な弱点は次のようになります。
・重すぎるなど長期荷重によって、木造の床やマンションの防振脚の二重床が緩んだり、ガタついてくる。
・防音室内の反射音が強すぎて、長時間演奏できない。耳が疲れる。
・床などから振動音(固体伝播音)が周囲に伝わりクレームが発生することがある。

これらの問題は使用している素材が遮音材にシフトしているため、固体音が抑えられない割に、反射音が室内に響くなどアンバランスな仕様によって起こる現象である。

改善するには、壁の約半分以上を吸音処理し、床に制振材を重ねて敷くなどの対策が必要です。
実際に、DIYで改善したユーザーがけっこう居られます。思った以上に効果があると評価されています。
購入してしまった防音室に満足できないなど不満をお持ちの方、DIYで音響・防音対策をやってみてはいかがでしょうか。
posted by 防音職人ウェブマスター at 15:18| Comment(0) | 楽器防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする