2018年02月09日

住宅業界大手でも木造防音室の実績は少ない

関東では、誰でも知っているような住宅メーカー大手4社に木造防音室の施工実績を聞いてみました。

鉄骨の戸建住宅の防音室(ピアノなど)の実績はあるが、木造戸建住宅の音楽防音室は大半が専門業者に外注しているという返事でした。
なかには、自社の音響・防音仕様を住宅パンフに掲載していても、それを適用した現場は殆どないと言われました。要するに防音効果の具体的な現場測定データもないということです。

ですが、自社パンフにはD-50とか遮音性能の想定レベルが明記されているものがあります。遮音性能は保証の対象外で、あくまで目安だということです。

先日、防音相談にお出でになった施主と新築業者(業界大手)の施工担当が言うには、自分たちは直接、防音室を施工した経験そのものがなく、社内の防音室のマニュアルは、あくまで内部資料であり、性能保証のための設計仕様ではないということらしい。

これは、パンフレットの内容をそのまま鵜呑みにはできないという事例です。

その会社が打合せが終わった後で、施主と私に本日は大変勉強させていただき、ありがとうございましたと挨拶していました。これで安心して工事が出来ますと。
ですが、この会社は内部規定があり、市販品しか現場で使えないのです。
私が提示したのは、市販の防音材や建材を活用した場合のベターな設計・施工仕様です。

それでも、住宅メーカーの設計内容に比べれば格段に防音性能も音響効果も良いです。
私の役目は音響・防音対策のコンサルティングでした。
posted by 防音職人ウェブマスター at 08:04| 木造防音室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月07日

鉛の遮音パネルが防音室に向かない理由

鉛の遮音パネルを施工した木造防音室の相談が時々あります。
音響が悪化したうえに、音漏れも殆ど改善されていないという相談です。多いのがピアノ防音です。

これは以下の理由が主なものです。
・鉛は音を吸収できないので、大半がつなぎ目から漏れる。
・つなぎ目から漏れる音の大半は500Hz以上の音であるが、これはピアノにとって重要な周波数帯である。
・鉛は石膏ボードと同様に反射音が強く、室内の音響を悪化させる。
・鉛は制振性が乏しいので共振を抑えることができないため、音漏れと音響が悪化する。

鉛の遮音パネルのつなぎ目から音漏れしやすいのは、素材そのものが吸音性と制振性がないので、わずかな隙間から音が抜けて行くのです。これは遮音ゴム(合成樹脂)とは性質が異なります。
それに、パネル工法は隙間が出ますので、工法上の弱点と言えます。

木造防音室に鉛を使用するメリットはありませんが、ただ一つ活用方法があります。
それは防音ドアです。ドアをつなぎ目の無い鉛シートで造れば遮音性の高い木製防音ドア製作が可能です。
*問題は過重量になりやすいので、蝶番が歪・緩みやすいことです。
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2017年07月19日

大手住宅メーカーの防音室

一部の大手住宅メーカーを除けば、戸建住宅に併設するピアノなど楽器防音室は木造です。

大半が大手建材メーカーの防音材をそのまま張り付けるだけのハリボテに近い空洞だらけの構造です。面密度だけに頼る遮音材にシフトして、吸音材や制振材をおろそかにしている欠陥構造です。

音響も悪く、遮音効果も低いもので、とても音楽教室には使えません。また隣接する賃貸住居部分への音漏れも気になる仕様であり、いったい住宅メーカーは約20年間何をしていたのか?

何も研究せずに、ただ既製品の防音材と石膏ボードを貼り付けるだけの安易な設計・施工を繰り返していたということでしょう。

近年の景気悪化で、自宅に音楽教室を併設する事例が増えており、同時に失敗事例が増えています。
建築士も企業もほとんど努力していないと言えると思います。

とくに致命的なのが固体伝播音の対策がないことです。木造住宅であっても木材を生かす工夫がないので音響も悪く、問題だらけです。
防音相談

不安を感じたら、早目に音響・防音設計の専門家に相談したほうが無難です。
posted by 防音職人ウェブマスター at 07:43| 楽器防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする